上松技術専門校長の木工話
| 木工話 1 恥かしい話ですが、 『あなたにとって、木工って何ですか。』と言われても、問題が高尚過ぎて何と答えて良いか分かりません。今までにも同じような質問を受けましたが、その都度適当にごまかしてきました。考えると切りがなくなり、まとまらなくなります。 そもそも、私は木工を始めた切っ掛けがいい加減でした。自分の頭でも入れそうな、それでいて面白そうで楽な大学はないものかと物色していて、たまたま見つけた木材加工科でした。在学中はそれなりに勉強をして、「家具作りは面白い」と感じて指導員になりましたが、そんなに強い意志が有った訳ではありません。「ま、やるだけやってみようか。」という軽い気持ちで始めた次第です。 真に木工に取り組み始めたのは、30代になってからです。その頃から若年の転職者が入校してくるようになり、本気で木工を習いにくる人たちが増えてきました。彼等は能力的に優れており、また技能習得に非常に意欲的でありましたので、それまでの私の知識や技能では歯が立たないことがありました。私にも少々のプライドがありましたので、学生には弱みは見せたくなく、夜中にこっそり翌日の準備をしたりしました。そのときが、今までで一番勉強した時期だと思います。以来、木工の指導員を続けてきました。 木工を始めてから35年ほど経ちました。それで分かったことは、始める動機が如何であろうと、適性が如何であろうと、「木工は誰でも出来る。」ということと、「木工は面白い。」ということ。ただ、製品や制作方法にレベルの程度はあるにしても、工作の途中や作品から、物を作る楽しさや安らぎを感じることが出来るようになるには、ある程度やり続けなければならないということです。この「続ける」ということが、少々厄介で非常に難しいことのようです。 もう少し辛抱できれば、我慢できればと思うことがあり、残念です。 今年も、木工や木芸で生活をして行こうと夢を持った人達が技術専門校に入校してきました。その夢をつかむために、一生懸命に訓練に励んでいます。
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| 上松技術専門校、安納校長 『 よもやま話 』 の木工話。 | |